FOOD

世にも美味しいブラウニーの“王冠バナナ”はなぜ刺さる?|バナナのパッケージ デザインは物語で売れる

『世にも美味しいブラウニー』は“物語化”で記憶に残り、売り場で指名買いをつくる

はじめてこのバナナの袋を手に取ったとき、多くの人が同じ順番で心を動かされます。遠目にまず「黄色い面の大きさ」で“バナナカテゴリ”だと即時認知し、次に赤い額縁に囲まれた「世にもおいしい」の大書で品質保証の物語を読み取り、最後に王冠をかぶったバナナ(甘熟王)のキャラクターで主役(王様)と祝祭の情景をイメージする。

この物語の三拍子(黄色=カテゴリー認知/赤額縁=受賞の記号化/王冠バナナ=主人公)が、数ある菓子の棚でこの袋を“忘れにくい存在”にしています。物語化されたパッケージ デザインは、見つかりやすく・覚えられ・語られる──だから強い。


人は理屈より“物語×記号”で素早く意思決定するから

デザインの現場では、視線の動きを「遠目の識別 → 近接の解読 → 感情の確信」の三段で捉えます。

  • 遠目の識別:色の“面積配分”や大きな図形で、商品ジャンルや世界観を瞬時に伝える段階。ここで迷うと手が止まりません。
  • 近接の解読:読み物(商品名・コピー・法定表示)とアイコンを通じて、意味を素早く理解させる段階。
  • 感情の確信:キャラクターや物語の“象徴”が働き、買う理由が自分ごと化される段階。

『世にも美味しいブラウニー』はこの順番が綺麗に整っています。黄色の“大面積”でまず“バナナ”を知らせ、赤い長方形のラベルが賞状のように「おいしさ保証」を演出。王冠・口ひげ・タキシード風のバナナが「めでたさ」と「ちょっとしたユーモア」を添え、星の装飾が“特別な一皿”の記憶を後押しします。

結果、理屈より早く“わかって・好きになる”。これが“物語で売れる”正体です。


正面デザインの「物語の設計図」を解剖する

世にも美味しいブラウニー 甘熟王のバナナ パッケージ デザイン 正面写真
  1. 面積比の仮説(色の比率)
    • 黄:赤:緑 ≒ 70:20:10(目測)黄色の大面積で“果実カテゴリ”を掴ませ、赤で「品質・表彰」を強調、緑で「信頼・自然」を縁取る。三色の役割が論理(カテゴリ認知)→情緒(おいしそう)→安心(まじめ)と分業しています。ワンポイント:自分の制作でも“主役色の面積を6〜7割”に置くと、遠目の識別が一気に安定します。
  2. 赤い額縁=“受賞メダル”の記号化赤は食欲と注意喚起の色。額縁状の赤は“認定・表彰”を想起させ、「世にもおいしい」を“金言”として掲げます。四隅の角R(丸み)が優しく、家庭的な温度を保つのもポイント。
  3. 王冠バナナ(甘熟王)=主人公の導入キャラクターは“導き手”。王冠・口ひげ・マントの三点セットで“王様”を即時に理解させ、商品名「甘熟王」と意味連鎖します。擬人化は子どもだけでなく、大人にも「わかりやすい笑い」として効きます。
  4. 星とハイライト=祝祭の演出ラベル周辺の星のきらめきは「特別感」を与え、チョコチップのツヤ感と呼応。“口福の瞬間”を視覚的に予告します。
  5. 商品カットの“見せ方”断面カットはチョコチップが均一すぎないのが良い。“ランダム=手作り感”の演出で、袋菓子でも出来立ての物語に近づけます。

裏面は“安心”を稼ぐ情報設計

世にも美味しいブラウニー 甘熟王のパッケージ 裏面と情報設計
  • 視認の柱を縦に揃える原材料表・栄養成分・アレルギー表示・製造者情報が縦のリズムで並び、視線の迷子を防ぎます。
  • 余白の“窓”を残す情報密度が高いパーツこそ余白で囲む。これが「ちゃんとしている」の第一印象をつくります。
  • QRやキャンペーン導線右上のQRやキャンペーンは“次の行動”をつくる装置。行動(Action)の出口を明示しておくと、SNS共有・再購入の導線が伸びます。
  • 法定表示の読みやすさ文字を“細すぎないグレイ”で置くのもポイント。黒100%のべたは、面によっては威圧的に見えます。視認×印象のバランスをとる小技です。

売り場での“群効果”が最強の広告になる

売り場で並ぶ世にも美味しいブラウニー バナナ色の群効果

棚にぎゅっと並ぶ黄色の大面積は、それ自体が一枚の巨大ポスターになります。さらに緑のヘッダーバー(キャンペーン帯)と赤いラベルの反復で、遠目の点景→近接の物語に誘導。

ここで効いているのは「同色反復」「リズム」。個体の魅力に群の力を掛け合わせることで、“売り場=メディア”化が起こります。あなたの案件でも、ブランドカラーを棚・台紙・POPで反復させるだけで、広告費ゼロの自然視認が起きます。


あなたの“推し商品”を物語化する

用意するもの:スマホの写真機能(カラーピッカーアプリがあれば尚良し)

  1. 観察:正面写真を撮り、主役色/補助色/信頼色面積比を目測で出す(例:70/20/10)。
  2. 記号化:キャラクターやアイコンを1語で定義(王冠・星・額縁など)。
  3. コピー階層“最初に読ませたい5語”を上位に、補足・法定を下位に置くラフを描く。
  4. 物語の一文:*「〇〇の王様にふさわしい〇〇」*のように、主役・舞台・感情の3要素を1行で。
  5. テスト:3m離れて、何が見え・何が残るかを友人に聞く。遠目の識別が通れば合格。

このワークを繰り返すと、売れるパッケージ デザインの感覚が急速に育ちます。大事なのは“細部の技巧”より、物語の設計です。


『世にも美味しいブラウニー』から学べる5つの再現ポイント

  1. カテゴリーは“色の面積”で語るバナナならまず黄色を7割。これで、遠目の速度が変わる。
  2. 品質は“赤い額縁”で封じる認定感・お祝い感を形+色で表す。テキストだけで言わない。
  3. 主人公(キャラ)を置く購買は“物語の主人公”につく。役割が一目でわかる記号(王冠・マントなど)を必ずセットに。
  4. 星・きらめきで“ご褒美”を可視化味の期待値を光のモチーフで視覚化。
  5. 売り場での反復を前提に作る群効果を想定した見出し色・帯の統一は、ECサムネにも効く。

“学びを加速”するためのロードマップ

デザインは観察→言語化→再現の順で伸びます。ここまで読んで「自分も体系的に学びたい」と感じたら、次に以下をチェックしてください。

こちらもCHECK

パソコンでオンライン学習に取り組む女性のイメージ(Adobe学習を始める前の状態)
【アドバンスクール体験記】32歳からの“キャリア再構築”。フリーランス女子がアドビ スクールパートナーでAdobeを学んだ理由

続きを見る


物語で設計されたバナナのパッケージ デザインは、だれでも再現可能

世にも美味しいブラウニー』が強いのは、黄色の大面積→赤い額縁→王冠バナナという物語の骨格を持っているから。そしてこの“骨格化”は、専門家だけの技ではありません。

今日の売り場で、明日の自分の企画で、色の面積・記号・コピー階層物語として連結する。たったそれだけで、見つかりやすさ・覚えられやすさ・語られやすさが跳ね上がります。

自己啓発は“抽象を具体に落とす”反復です。上の5分ワークから始めて、観察ノートを1冊つくってみてください。次の一歩は——

学びの全体像をレビューで確認する

こちらもCHECK

パソコンでオンライン学習に取り組む女性のイメージ(Adobe学習を始める前の状態)
【アドバンスクール体験記】32歳からの“キャリア再構築”。フリーランス女子がアドビ スクールパートナーでAdobeを学んだ理由

続きを見る


さいごに:読後アクション

  1. コンビニやスーパーのバナナ色パッケージを3つ撮影。
  2. 面積比・記号・コピー階層をノート化。
  3. 明日の提案資料の1枚を“物語基準”で描き直す。
  4. 学習レビューで全体像を整える → 学習レビューを確認する

——ここまで実践すれば、あなたのデザインはもう“語りはじめて”います。

記事を書いたライター

キキ
キキ
🍌キキ(Trend & Lifestyle)
SNSで話題のバナナ雑貨をすぐにチェックしちゃうトレンドハンター。かわいいパッケージや話題のバナナ系グッズ、どんどん紹介していきます!「見つけたら即ポチ」がモットー♡

-FOOD
-, ,