インターネットでバナナの遺伝子組み換えについて調べていると、「PLUコードでバナナの遺伝子組み換えは判断できる!」というネット記事が数多くヒットします。
しかし、この情報はまったくの間違いなのです。
そこで本記事では、バナナに記載されているPLUコードの概要や遺伝子組み換えを判別することができない理由について詳しく解説していきます。
そもそもバナナに記載されているPLUコードとは?
バナナを含めた輸入果物には4桁もしくは5桁のコードが記載されており、これを「PLUコード」と言います。
このPLUコードは、果物の分類や商品管理をするために使用されている番号で、3もしくは4から始まる4桁のPLUコードは「化学肥料を使用して栽培されたバナナ」、9から始める5桁のPLUコードは「有機栽培によって作られたバナナ」であることを調べることができるのです。
PLUコードは日本国内だけで使用されているコードではなく、アメリカやカナダ、南米などでも幅広く使用されており、IFPC(International Federation For Produce Coding)という団体が管理しています。
PLUコードの”8”は遺伝子組み換えのバナナってほんと?
「PLUコードの中でも8から始まる5桁のコードは遺伝子組み換えをしているバナナであることを証明している」というように言われていますが、実はこれは間違った情報となります。
というのも、PLUコードを管理しているIFPCでは、もともと遺伝子組み換えによって栽培されたバナナのPLUコードを8からはじまる5桁の番号の割り振ろうと考えていましたが、実際にこのPLUコードが使用されることがなかったため、8から始まる5桁のPLUコードが割り振られたバナナは存在しないからです。
つまり、遺伝子組み換えによって栽培されたバナナは存在するものの、PLUコードでは判別できないため、消費者が遺伝子組み換えのバナナを見分けることはできないのです。
なぜPLUコードで遺伝子組み換えが判別できると勘違いされているのか?
ネットの記事などを見てみると「PLUコードでバナナの遺伝子組み換えは判断できる!」と誤情報が書かれている場合も多いですが、なぜこのような勘違いが起きているのでしょうか?
その大きな理由となっているのが農林水産省の委託を受けて日本貿易振興機構(ジェトロ)が調査した「平成 16 年度 農林水産物貿易円滑化推進事業 貿易情報海外調査報告書」にて下記のように記されているからです。
番号は、通常4桁で、オーガニック(有機)の場合にはこの4桁の数字の頭に
“9”を、遺伝子組換えの場合は“8”を加えることとされている。
しかし、この調査は2005年3月時点の内容であり、8から始まる5桁のPLUコードを使用しないことが決定したのは2015年7月時点のことなのです。
つまり、農林水産省は2005年時点の情報を修正・削除することなくインターネット上に残しているため、日本ではこのような勘違いが起きているということになります。
まとめ
本記事では、バナナに記載されているPLUコードの概要や遺伝子組み換えを判別することができない理由について詳しく解説していきました。
なんとなく遺伝子組み換えがされたバナナを選びたくないという気持ちを持っている方も多いと思いますが、現状バナナを購入する時点で遺伝子組み換えがされているかどうかを判断することはできません。
とはいえ、安全に食べられるように遺伝子組み換えが行われているため、それほど神経質に遺伝子組み換えのバナナを避ける必要はないでしょう。
ぜひ本記事を参考にしてバナナの遺伝子組み換えについて正しい情報を知ってみてください。
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記事を書いたライター
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